「不当労働行為救済申し立て」をするのは今回2回目で、前回は「専務が団交に出ないなどありえない」
「労働組合を軽視し、活動や運営に介入するものであるとの批判を誠実に受け止めよ」と
豊田織機など経営者側委員からも指導を受けて、2009年4月に南医療生協は謝罪し和解した
というのに、その後も不当労働行為が続いています。
人件費削減のために、労働時間延長など労働条件改悪を労使の合意なしに推し進めていくための
労働組合弾圧だと思います。
支援を訴える中で、多くの人たちから出された疑問にこたえます。
《ともにあゆむ裁判Q&A》
Q.南医療生協は民主的な医療機関じゃないの?
A. もちろん、多くの人がご存知のように、誇らしい歴史を持った医療機関であり、いまも現
場の職員や地域の組合員さんの献身的な活動に支えられている医療機関です。
しかし、2000年の現在の専務成瀬幸雄氏就任の頃から、方向が変化したのも事実です。
たとえば、「21世紀を乗り切るためのリニューアル」と銘打って、20数億3年間をかけた
南生協病院リニューアル完成からわずか3年で、100億をかけての緑区への新築移転を組合員
の合意を得る前に決め、新病院では全病室の半分を個室にして、全日本民医連の方針に全国
で唯一反して、2010年3月の移転と同時に「差額ベッド代」を徴収しています。
「差額ベッド代」徴収反対の態度を表明した労働組合や地域の組合員さんに対して、不当労働
行為や嫌がらせをして、方針に異を唱える理事は排除してきています。
2011年の愛知県知事選挙に、南医療生協の医師土井敏彦氏が革新県政の会から立候補し
ましたが、成瀬専務は、「政治的中立」を理由に、土井医師の推薦どころか、理事会でも、「土井
先生の支援に南医療生協の名前を絶対に使うな!」と言い、南医療生協の機関紙『健康の友』
にも「政治的中立のために、南医療生協はどんな候補者もどんな政党も支持しない」という記事
を掲載しました。
しかし、その半年後、長久手町長選挙では、専務就任時から親交の深い社会福祉法人「愛知
たいようの杜」元理事長吉田一平氏(自民。公明推薦)の応援団に、医療生協の名を使って、
専務筆頭に幹部たち数名が名を連ねました。
また、成瀬氏は、2010年12月には、経団連の地方組織である愛知経営者協会に、「南医療生協
専務」として、入会をしています。
労働組合に対しても、新病院敷地内に労組の部屋をつくることを拒否し、職員ゾーンに入るための
セキュリティカードを労組の専従には渡さない、新病院内の会議室を労組には貸さない、労働組合
加入者への脱退工作など、不当労働行為が続いており、労働組合も現在、労働委員会に「不当
労働行為救済命令」を申し立てています。
なぜ、このような事態になっているのか、それは理解できませんが、映画などで華やかな面を
宣伝する一方で、経営効率を上げるために職員の労働条件を切り下げているのは事実です。
職員がいきいきと働き続けられる職場になるために、まずは梅村さんの労災認定の事実をしっかり
とうけとめ、原因究明、再発防止にとりくんでほしいと思います。
※南医療生協労組は、2013年6月11日に南医療生協と和解をしました。