元南医療生協事務職員 横井俊治
@昨年5月、梅村さんが南医療生協を相手に裁判を起こしていることを知り、大変驚きました。
古巣に何があったのかと連絡をとってみて、26億円かけたリニューアルをわずか三年で投げ捨て、
新たに100億円かけて緑区に病院を造り、差額ベッド代を徴収していることなどを知りました。
思い起こせば成瀬氏は、私の直属の上司であった病院事務次長時代、部下に対する冷たい評価
や発言は少なくありませんでした。そして象徴的な出来事が二つ思い出されます。
一つはS君解雇事件です。医事としての能力が不足していたS君に、私たちは適切な部署への配置
を望んでいました。しかし結果は解雇でした。次の職場が紹介されたとはいえ、多くの人が解雇までは
望んでいなかったと思います。しかし私は反対できませんでした。
もう一つは、保険請求への業者の導入です。医事の再編により、保険請求による残業が会計課に
集中する中、会計課の職員には不満がたまっていきました。それを成瀬氏は業者に請け負わせることで
解消しようとしたのです。私はこれにも反対できませんでした。職員の不満も理解できたからです。
しかし、こうしたことが重なって、どんどん自分の思う方向から離れていく南生協病院に私はついて
いけなくなり、1993年3月退職しました。
すでにC棟建設の頃から南生協病院は変わり始めていたのだと思います。
AUFJ銀行等から多額の借金をして、果たして南医療生協は健全経営をしていけるのでしょうか?
多くの貧しい人々がお金を出し合って作った南医療生協。その大切な出資金は危険にさらされて
いないでしょうか?
昨年一年間のうち月別増出資額が減資額を下回った月が四ケ月もあったそうです。
こんなことは今までなかったことでしょう。増出資額が減資額を上回り続ける間は、何とか借金と
利子を払っていけたにしても、逆転現象がたびたび起こるとなると、事業本体で大きな黒字を出し続け
ない限り返済は不可能になります。そんなことを巨大銀行が黙って見ているはずはありません。
とたんに金利の上昇、貸しはがし、貸し渋りが起こってくるでしょう。それがますます経営を圧迫する
ことになるでしょう。
B競争原理の資本主義社会で、民主的経営が生き延びていくことは大変困難なことだいうのは理解
できます。効率的な経営、時にはトップダウンも必要でしょう。しかし、そこに働く人の思いを踏みにじって
いく民主的経営とは一体何なんでしょうか?
ましてや医療機関というのは人の治療をしたり健康を守ったりする、人を相手にした、人が行う事業
なのです。
そこで患者さんを大事にする、地域の人々を大事にする、そして職員をも大事にする、それを困難と
たたかいながら継続し続けるのが民主的医療機関ではないでしょうか?
私は愛する古巣の南医療生協がこの変節を克服して文字通りの民主的医療機関に再生されるよう
心から願ってやみません。
(元南生協病院会計課長、現税理士)